
GTDはサラリーマンよりもフリーランスのような仕事をしている人に、より有効であると言われています。自分の場合も、実はメインの仕事であるソフトウェア開発プロジェクトについてはGTDを利用していません。
通常、ソフトウェア開発の現場では「数日で完了する期限付きのタスク」をWBSの最小単位(ワークパッケージ)として細分化し、各担当者が常時ひとつのタスクを担当するようにスケジューリングされます。そしてこれらのタスクは、ガントチャートやその他のツールにより開発チーム内で厳密に管理されています。
正しく管理された開発プロジェクトのタスクは時間と作業内容が明確であり、また意識しなくても忘れることがないため、GTDのいう「開ループ」としなくても良いように思います。毎日朝になれば通勤電車に乗るのと同じように、(プロであれば)自動的に進められる作業なのです。もちろん例外もあって、スケジュールどおりに行かない作業、たとえば設計の初期段階でやることがあまりにも混沌としている場合や、まともなリーダーのいないデスマーチプロジェクトで最優先のタスクをいくつも同時に抱えている場合だと、GTDを使ってタスクを整理することは有効かもしれません。
ソフトウェアエンジニアがGTDで行うべきは、スケジュール表に現れない作業の管理です。たとえば、資格取得やスキルアップのための勉強、将来的に役に立つかもしれない技術の調査、改善提案活動、年末調整や出張精算のような事務手続き、健康診断の予定、歓送迎会の準備といったようなことです。また、ブログやmixiの活動時間捻出、自宅の掃除、旅行の計画、大きな買い物、といったプライベート関係もGTDが有効だと思います。こうしてみると、サラリーマンとはいえども、数多くの混沌としたタスクを常に抱えていることがわかります。
こういったタスクは、スケジュール表で管理されている作業にくらべて優先度が下がってしまい、ギリギリになってやったり、時間切れであきらめたりすることが多いと思います。忙しいエンジニアの日常とはそういうもんだ、と慣れてしまった人も多いでしょう。GTDを上手に実践することで、こういったことまで目が届くようになり、やりかけの作業が減って生活がシンプルになったように感じられるのが理想的だと思います。
どちらも法律こそグレーですが、
悪意のある誘導URLなので、
踏まないようにお願いします。